2018年4月20日金曜日

竹内直(ts)&楠直孝(p)のライブ@原宿JazzUnion

2018年4月19日(木)原宿のジャズ喫茶、JazzUnionで、竹内直(ts)&楠直孝(p)のライブを聴いてきました。


楠直孝(p)は既にJazzUnionに5回出演していて、JazzUnionのオーナーいわく、もうハウスピアニストですとのこと。
竹内直(ts)は、今回が初出演。
アットホームな雰囲気に、普段より多めなMCが嬉しい。
当夜の演奏ナンバーは、竹内直(ts)の最新作「BALLADS」からのナンバーが中心ですが、ジャズスタンダードからファンク作品、黒人霊歌まで幅広い曲目構成です。
You're My Everything (Harry Warren and Joseph Young作)
マイルス・デイビスやレッド・ガーランドの演奏でおなじみのリリカルなナンバーを楠直孝(p)の美しいイントロから始まり、竹内直(ts)のストレートなバラード演奏!!


You Must Believe In Spring(ミッシェル・ルグラン作)
何もいうこともない名曲です。
楠直孝(p)の囁くような美しいピアノのイントロから、濃厚な竹内直(ts)サウンドが一挙に繰り広げられます。
楠直孝(p)の思わずため息が出るような美しいソロも印象的です。


竹内直(ts)のライブでこの曲の演奏を初めて聴いたときには、私には、あまりにビル・エバンスの名演のイメージが強くて、テナーサックスでどう解釈するのかと疑問に思いましたが、静から爆発的な動へとじっくり歌い上げる圧巻の演奏に参りました。これは最新作「BALLADS」でも取り上げられています。必聴の演奏です!!
With A Song In My Heart (Richard Rodgers / Lorenz Hart作)
ストレートに明るいサウンドで曲は熱く展開し、どんどん集中したテナーは、圧倒的なノンブレス奏法で物凄い高みに到達し、聴衆は只,息を呑んで圧倒されるだけです。


ここで、竹内直(ts)がノンブレス奏法・循環奏法について、聴衆に解説してくれました。
口で息を吐きながら同時に鼻で吸うことで、切れ目のない演奏が可能になる。
何と、実際に演奏してくれて、ほほの動きを注目すると確かに、動いています!!
観客にアピールするには単音を延々と吹けば非常に分かりやすいのですが、竹内直(ts)はノンブレス奏法で美しい激情的なフレーズを繰り広げるのです。
ジャズではハリー・カーネイがバリトンで早くから初めたそうです。
何と、竹内直(ts)は現在のギネス世界記録を超えることも可能だそうです。
普段のライブでは、竹内直(ts)はこれ見よがしにノンブレス奏法を繰り出すことはありません。
激情的な、圧倒的なソロの最中に、あっと思うとノンブレス奏法が始まり音楽は凄さも感じる高みに到達します。

Lost in the Stars    (Kurt Weill)
スローなテンポで始まり、楠直孝(p)の圧巻のソロに続いて、竹内直(ts)のカデンツアのテナーソロは、ノンブレス奏法も使って凄絶なトーンに達します!!

Chariots     (ジョン・スコフィールド作)
ファンキーなナンバーで、楠直孝(p)の素晴らしいファンクピアノは、まるで燃えるアフリカンピアノのようでした。竹内直(ts)のテナーも熱くリズミカルなトーンを繰り広げます。

第2部は
カンツオーナ(作曲者分からず)
楠直孝(p)の透明なピアノサウンドに乗って竹内直(ts)はしっとりしたバラードプレイを繰り広げます。
I concentrate on you(コール・ポーター作)
竹内直(ts)サウンド全開のスタンダード解釈が美事です。

You Are So Beautiful (Billy Preston 作)
ジョー・コッカーのソウルフルな歌唱で有名な曲。
楠直孝(p)の美しいピアノ!
竹内直(ts)の地底から唸るような低音から、天にも届くような高音までテナーサウンドを刻みソウルフルなカデンツアに高まります。





淀川長治先生の出演した日曜洋画劇場のエンディングテーマ曲でおなじみという竹内直(ts)のMCで『So In Love』(コール・ポーター作)
楠直孝(p)の名手らしいドライブするラテンのリズムに乗って、竹内直(ts)は美しいテーマ演奏から泣けるソロを繰り広げます。

Blue Monk  (Thelonius Monk作)
ラストはおなじみのモンク作品。
楠直孝(p)の独特なモンク解釈は美事でした。
竹内直(ts)のリズミックなアプローチのテナーサウンドが素晴らしい。

アンコールは,
"Deep River" (Spiritual)
ゴスペルナンバーとして有名なDeep Riverを、楠直孝(p)の印象的なスピリチュアルなソロに始まり、竹内直(ts)の祈るかのようにじっくりと歌い上げる感動的な演奏で当夜のライブは幕となりました。






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